Syrup16g Hurt を聴いての感想やらを書き出してみる。特に楽曲解説みたいのじゃなくて個人的感情の吐き出しなのでご了承を。


まずは本当びっくりするよね、このブログでシロップの新譜の事を書ける事に。二度と、もう二度と新譜は聴けないんだとあの武道館で思ってから6年後にまさか私の手の中にシロップの新譜があるなんてあの頃の私には想像も出来なかった。武道館終わった後は「きっとこれからシロップより好きなバンドが出来てシロップの事も良い思い出(?)になるんだろうなぁ」なんて思ってたのにね(笑)ずっと好きだったし、変わらず一番好きなバンドだから分からないものだ。解散する前はここまで好きでいたとは気付いてなかった気もする。無くして初めてこんなに好きだったんだって感じだったなぁ。

シロップ再結成については単純に嬉しかった。それは本当なんだけど、何かどうにも納得出来ない所もあって。上手く言葉に出来ないんだけど…。最後辺りのシロップの破滅感をずっと見てきたからかもしれないけど、またやり直せるのか、また始められる感じなのか、またああ言う感じで惰性になるんじゃないか、正直言って素直にはシロップを信じられなかった。でも色々な雑誌で五十嵐さんのインタビューを読んだり、中畑さんのインタビューも読んだりして少しずつ前向きに考えれるようになれたのは良かった。特に中畑さんの言葉には泣かされたなぁ。あの音楽と人は永久保存版です。

Hurtはフラゲで買ったのだけど、もうドキドキでこんなにドキドキしながらCDを買うのはラストアルバムを買った時以来かもしれない。*1早く聴きたいけど、ちょっと怖くて本当にドキドキだったなぁ。

聴いた瞬間、一曲目からもう泣きそうだった(笑)だってシロップの新曲がプレイヤーから流れてくるとか…!!一曲一曲歌詞カード見て、噛みしめながら聴いた。発売前に少し怖かったのは、『もし全然好みじゃなかったらどうしよう』ってのが大きくて。別に好みじゃなかったらそれで終わりで良いんだけど…シロップにガッカリしたくなかったから。でもそんなのは杞憂だった。前からのシロップの延長線上ではなく、完全に吹っ切れた新しいシロップがそこにいた。五十嵐さんが中畑さんとマキさんと音を出せるって楽しさが演奏から伝わってくる。シロップが帰ってきたんだと思った。曲がどれも良い。五十嵐さんの書く切なくて美しいメロディと絶妙な和音が存分に楽しめる。マキさんのベースも歌いまくってるし、シロップで聴く中畑さんのドラムはやっぱり私の中で特別。歌詞はこの休んでた期間を曝け出すようなストレートさが五十嵐さんらしいなぁと。何だろうね、めちゃくちゃなのに真面目で真摯なんだろうなぁと思う。駄目な所も全部曝け出すこの感じはエレカシの宮本さんと似てる気がする。生きてるよりマシさはストレート過ぎなぐらいだけど五十嵐さんらしくて私は好きだ。何かこう言う事がきちんと歌詞になって、こんなに泣ける切ない曲に仕上がるって奇跡的な事だと思う。一歩間違えたら「は?」ってしらけるような空気さえある歌詞が多いのに。そこもシロップであり五十嵐さんだなぁと。

このアルバムを聴いて、やっぱり五十嵐さんはキタダさんと中畑さんでなければ駄目だったんだなと実感した。彼が安心して身を置ける、そして身を預けられる存在なんだろう。中畑さんとマキさんの器の大きさに感謝したい。きっとシロップの面子でなければこんなに沢山の名曲は産まれなかったよ。

私が言うのは何だか違う気がしてあまり言わないようにしてたけど、ここでは言ってもいいですかね?

『おかえり、Syrup16g

*1:大体、CDを予約→フラゲして買う事自体久しぶり